私はトータル8年間ほど引きこもりでした。
主に同年代が学校に通っている頃に引きこもっていたので、若いときに積んでおくべき人間関係の経験を積まずに大人になってしまいました。
普通の社会には馴染めないと感じていたいましたし、引きこもってからは精神障害を患ってしまい、余計に社会には戻れないのだと思っていました。
しかし、精神障害者になったことが災い転じて福となりました。
今では引きこもりだったことを過去にできるくらい、職場に仲間ができて楽しい人間関係を築いています。
精神障害者なら聞いたことがあると思う「作業所」で人間関係の練習をしてきた話をしようと思います。
また、現在引きこもりの人にも参考になる記事だと思うので、読んでいただけると嬉しいです。
作業所で人間関係を練習し始めた
私が人間関係を再び築き始めたのは23歳からでした。
学生時代から不登校・引きこもりで、友達が一人もいない日々が続いていました。
その上、精神障害を患ってしまい、お先真っ暗でした。
体は元気で、知能も問題ないのに、障害者という括りになるのが辛かったです。
しかし精神障害者に対して社会は優しかったのです。
精神科の先生などから、市や県の福祉のサービスを利用できることを教えてもらいました。
色々と福祉サービスを教えてもらいましたが、最終的に選んだのは、「B型事業所」や「A型事業所」といわれる「作業所」で働くことでした。
作業所とは何?という方は、下の過去記事を読んでいただいたり、「作業所とは」で検索してもらうとイメージが掴めると思います。
作業所とは、精神障害や知的障害・身体障害などの障害があることで、一般の会社での仕事が困難な人が通う、仕事の場です。
私は最初に通ったB型事業所では、一日30分勤務からで働かせてもらいました。
久しぶりに人が多くいるところに通うことは、私にとって大きな課題でした。
私が通ったB型作業所は精神障害の人のみ入所していた事業所でした。
最初は緊張していた私ですが、優しく話しかけてもらったり、同じように精神障害と闘っている仲間なので、だんだんと安心していきました。
人間関係の第一歩を踏み出しました。
作業所、特にB型事業所は、再び社会に戻ってきたばかりの人や、一般就職やA型事業所には進めない病状の重い人が働いています。
だから、引きこもりや最近まで精神病の症状が出ていた人には、むしろ居心地が良いと思います。
作業所によって業務内容や年齢層はバラバラなので、作業所に行ったことのない人は、まずは見学をしてみましょう。
居心地のいい作業所で人間関係を築く
作業所では自分と同じように精神的に弱りがちな人が働いていたりして、普通の社会ではない確率で似たような人がいるので、居心地がいいです。
私は現在までで3つの作業所に通いましたが、私と同じ絵を描くことが趣味の精神障害者の人が3つともに居ました。
作業所はわりとオタク率が高く、オタク趣味があっても居やすいかもしれません!
私は、一般的なB型事業所→自分の特技を活かせるB型事業所→好きなものを扱っているA型事業所とステップアップしてきました。
最初の作業所では週3働くのがやっと、次の作業所では週5働ける週もある、今通っている作業所では遅刻はしつつも週5勤務を続けています。
それぞれの作業所で学んだことがあり、人間関係の築き方も徐々に上手くなってきたと感じます。
色々な作業所を見学や体験をして、ピンと来たり居心地が良さそうだと感じれば入所するのがいいと思います。
逆に最初から違和感があったり、頑張らなきゃいけないと感じるような作業所は、入所できても続かない確率が高いです。
焦らなくていいので、様々な作業所を見て、一番良かった作業所に通いましょう。
A型事業所とB型事業所の違い 人間関係編
B型に2ヶ所、A型に1ヶ所通った経験のある私から見て、B型事業所とA型事業所の違いを人間関係という点で語ろうと思います。
A型事業所は身体障害の人が多め、B型事業所は精神障害の人が多め
B型事業所は施設ごとに勤務時間や工賃がバラバラで、求められるレベルも簡単なことが多いです。
A型事業所は週5以上・4時間以上の勤務を求められるため、体調が安定していることが必要ですし、給料が発生するため一定のレベルを求められます。
そのため、B型事業所はまだ心の体調が不安定な精神障害の人たちが、社会復帰に向けて利用していることが多いイメージです。
A型事業所は心が一定で安定している身体障害の人たちが、週20時間以上の勤務を淡々とこなしているイメージです。
私は精神障害でどちらの事業所も見てきましたが、A型や障害者枠の雇用にはまだ行けない人がB型を利用しているなと思いました。
A型は身体障害の人が多いので、心が健康な人の思考パターンを知れる
身体障害の人はメンタルは健康なことが多いので、中身はいたって普通の人であることが多々あります。
精神障害にありがちなネガティブ思考がなく、身体障害の人と話すと、そういう考えかただと生きやすいな、と学ぶことがあります。
あと、福祉サービスを利用している利用者さんは全体的に優しい人が多いです。
まずは指導してくれる職員さんが優しくて、そのおかげでピリピリとした緊張感のある職場ではないので、皆さんリラックスして働いています。
なので、優しい環境で優しい人たちが集まって働いている印象です。
精神障害で来ている人は挨拶を返してくれなかったり、一般就職は難しそうだなと感じる人が多いですが、そういう人は繊細で実は優しい性格です。
一般の社会にある無駄なキツさがないのが良いところだなと働いていて思います。
B型は精神障害の人が多いので、分かり合える
B型事業所は、まだA型や一般就職はできないけど、体力をつけるために働く練習をしたい精神障害の人が多めです。(知的障害の人は知的専門で受け入れているB型があるので、精神障害者が通える作業所では知的の人は少なめです。)
B型事業所では、体調が悪くてなかなか働く時間を伸ばせないことを、利用者さん同士がお互いに気持ちを共有できます。
精神障害を持っている人が身近にたくさんいることは、気持ちを楽にさせます。
B型事業所で同じような思いや症状の仲間がいると心強いです。
もちろんB型事業所も職員さんが優しくて、居心地が良いです。
作業所で新たな友達を作れるので、今友達ゼロでも大丈夫
引きこもりや精神障害になって友達がいなくなっても大丈夫です。
作業所で友達が作れます。それに無理のない人間関係を築けます。
多分、学校生活で作った友達も良いのですが、引きこもりや精神障害になるような繊細さを持っている人には、同じような思いをしてきた作業所の利用者のほうが仲良くなれると思います。
派手さや刺激がある人間関係ではありませんが、むしろ穏やかで居心地の良い人間関係を築けるほうが、心の弱っている人には必要です。
私は今お茶に複数で行ったり、カラオケや映画に行く作業所の仲間がいます。
毎日すごく楽しいし、仕事のやる気もアップして、とてもいい状態です。
引きこもりの過去や精神障害があっても、友達が増えるんだと昔の自分に言ってあげたいです。
作業所で人生の再スタートを踏み出す人が一人でも増えればいいなと思っています!